多くの人と繋がって生まれ育ったビール

「うちの商品は、豊頃の地だから作り出せたと思っています。」と話すのは、小笠原玄記(げんき)さん。広い畑、豊かな水と自然、そして地元の仲間たち。これらが相まって小笠原さんのビールが生まれたのです。

小笠原さんがビールを作ろうと思った最初のきっかけは、学生時代まで遡ります。「もともとビールが好きでよく飲んでいたのですが、大学院生のとき半年間留学していたヨーロッパで初めて飲んだクラフトビールがおいしくて。その頃から、『いつか自分でビールを作りたい』と思っていました」。けれども当時はまだぼんやりとした夢でしかありませんでした。

町の若者有志で活動する「豊頃団志」のメンバーでもある小笠原さん。ほかにも農協青年部など、さまざまな活動を通じて町に貢献しています。

大学院卒業後、東京の一般企業での勤務を経て、いずれ帰ろうと決めていた豊頃にUターン。実家の農業に従事し、小麦の生産をしていく中で、「小麦ができるなら、大麦も作れるのでは?」と考えるようになり、ビール作りへの情熱が再燃します。そこからはとにかく調べ、行動に移しました。ビールの作り方から大麦の種の入手先まで…。調べてみると、自分で醸造所を構えるのは、場所や資金、技術的にもすぐには難しいことが判明します。

インターネットなど自力で調べるには限界がありましたが、地元のビール業界の先駆者を訪ね、アドバイスをいただいたことで光が射したと言います。「ひとえに人の繋がりでここまで来られましたね」という言葉どおり、ビールの醸造家、大麦の焙煎に協力してくれたコーヒー専門店、パッケージラベルのデザイナー、参加を呼び掛けてくれるイベント主催者、そして相談に乗ってくれたり応援してくれた友人、知人など、多くの縁によって小笠原さんのビールは形となり、育まれていきました。それは決して偶然ではなく、誠実に前向きにビール作りに向かう小笠原さんの情熱と人柄があってこその結果でしょう。

現在は大麦の生産と製麦は自社で行い、醸造は信頼できる醸造家と共に行うスタイルが定着。小笠原さんは3~4ヶ月ごとに一度は醸造所へ足を運んでいます。麦芽の配合やホップの種類を変え、その都度違った味わいを研究中。麦の旨味をしっかりと感じられ、飲みやすいビールを目指しています。「まず自分がおいしいと感じるものを基準に、今後は夏はサッパリゴクゴク系、冬はこっくりと深い味など季節を意識したものも作りたいですね」。

麦の旨味がしっかりと感じられる『十勝・豊頃の農家が作ったクラフトビール』。
時期によってビールの種類が変わります。

お酒の苦手な仲間がきっかけで始めた麦茶作り

ビールだけではなく、麦茶の製造にも取り組んでいる小笠原さん。きっかけはビール販売で参加していたイベントでの雑談中、「お酒が苦手だ」という仲間との会話からでした。

ビールの原料の大麦は、麦茶の原料でもあります。一般的に販売されている麦茶は、二条大麦と六条大麦をブレンドして麦の味を出しているものがほとんど。小笠原ファームで生産している二条大麦は、苦みや渋みの少ない種類。加えて農薬や化学肥料も用法・用量を遵守しています。お酒の飲めない妊婦さんやお子さんにも安心して提供できるものが作れるはずと、商品開発に着手しました。ティーバックで煮出し・水出し可能でサラッと飲みやすい麦茶が完成。豊頃町農協青年部の食育活動の中で、町の子どもたちにも提供しています。

二条大麦100%の『十勝10時と15時の大麦茶』。渋みや苦みがほとんど感じられず、スッキリとした味わい。

生産に集中できる環境で、ものづくりができる幸せ

現在はふるさと納税への出品をはじめ、店舗兼工房での直売や町内施設での販売と通信販売を行なっています。ビールは帯広の北の屋台などの飲食店でも提供されており、地元十勝の方はもちろんですが、旅行者も十勝産の珍しいビールに興味津々なのだとか。さらに酒屋さんからの要望もあり、今後は酒類卸売免許の取得も予定しています。

「東京での暮らしは得るものもあったけれど、消費にエネルギーを使っている感じがありました。豊頃に帰ってきて、生産することに力を注げていることを強く実感します。すぐそばにある大自然、畜産、漁業。携わる仲間との関係性や人との距離感が快適。ここ豊頃での生活があってこそのものづくりだと思います」。

  • 「十勝・豊頃の農家が作ったクラフトビール330ml×3本」のページにリンクします。6本セットや3・6・12回の定期便もございます。
  • 「二条大麦100%十勝10時と15時の大麦茶7包×3袋」のページにリンクします。7袋セットや3・6・12回の定期便もございます。